管理栄養士の業務効率もアップして、味つけも量もよくて喫食率もアップ
医療法人鉄蕉会
亀田総合病院
千葉県
917床
医療技術部 栄養管理室
室長  根本 圭子 様

以前はどのような給食状況だったか教えてください。

いまはミキサー食を中心に使わせてもらっているのですが、嚥下食のことでいうと、以前は「刻み」「一口大」「ペースト」「ゼリー」の4種類で提供していて、全部院内で手作りしていました。特にペースト食は全粥をベースにしていましたが、食材によってはミキサーにかけてもなじまないものが多く、独自の献立を作る必要がありました。魚などは特に大変で、調理の負担はかなり大きかったですね。しかも、水分をある程度加えないとミキサーが回らないので、その分栄養価は下がってしまいますし、出来上がりの量も増えてしまう。患者さんにとっては食べきるのが大変で、介助してくださる看護師さんも1時間近くかけて対応することもありました。調理側にとっても、患者さんにとっても負担の大きい状況でした。

導入のきっかけについて教えてください。

やっぱり手作りだと仕上がりにムラが出るのが一番の悩みでした。とろみの具合が安定しなかったり、食材によってミキサーのかかり方が違ったりして、どうしても均一にはならないんです。食材のロスも出ていましたし、時間的にもロスが大きかったですね。さらに、管理栄養士や栄養士がつきっきりでミキサーを回さないといけなくて、人員配置的にも効率が悪かったんです。そこで、「誰でも扱えて、安定した品質のものを出せる体制にしたい」という思いから導入を決めました。

導入を検討する上でどのようなポイントでメディカデリを選定いただいたのでしょうか。

一番大事にしたのは、学会分類にきちんと沿っていることでした。それに加えて、味や粘度が安定しているかどうかをしっかり確認しました。導入前に言語聴覚士の先生方に試食会をしてもらって、粘性や味を厳しくチェックしていただきました。うちのSTは割と厳しいんですが、全員から「これなら大丈夫」と評価してもらえたんです。彩りも良くて、患者さんに出しても見た目が明るい印象になるのも大きなポイントでしたね。少量でしっかりカロリーが取れるところも助かりました。

導入までの期間、何か工夫されたことなどありますか。

導入して一番苦労したのは在庫管理でした。どうしても主菜と副菜の数が合わなくなることがあったり、必要なものが足りなくなることがあるんです。そこで、冷蔵庫や冷凍庫を曜日ごと、朝昼晩ごとに棚分けして、すぐに分かるように工夫しました。カゴに献立番号を振って整理するなど、スタッフ全員が迷わず使えるようにしましたね。導入前にスタッフと相談して準備を進めたことが、スムーズな移行につながったと思います。

実際に導入されてどのような体制で運用されていますか。

今は厨房スタッフが63名いて、そのうち調理師が16名です。大体10名くらいがメインで調理をしています。ミキサー食に関しては、今では技能実習生や新人調理師でも盛り付けができるようになっていて、管理栄養士は別の業務に回れるようになりました。特に朝は人手が足りないのですが、今では40食前後を30分くらいで準備できるので、かなり助かっています。患者さんからも「美味しい」「食べやすい」という声をいただいていて、以前は量が多すぎて食べきれないことも多かったのですが、今は味付けもはっきりしていて、ちょうどいい量になっているので、喫食率もとても良いです。

今後、給食でやっていきたいことはありますか。

やはり一番の課題は人手不足です。ですので、「誰でもできる仕組み」をもっと整えていきたいと考えています。それから、うちは女性の職員が多いので、結婚や出産を経ても働き続けられる環境を整えることも重要だと思っています。特に朝の出勤時間を少しでも遅くしてあげられれば続けやすいのではないかと考えています。最終的には、患者さんに喜んでいただける食事を提供し続けることが一番大切です。美味しさや彩り、栄養バランスを大切にしながら、改善を続けていきたいですね。