「明日の食事がどうなるかという瀬戸際」からの安定運営
医療法人翔陽会
滝川脳神経外科病院
北海道
132床
栄養管理科
管理栄養士  小林 唯 様

以前はどのような給食状況だったか教えてください。

私が病院に入職したのは2024年の春で、ちょうど給食の委託会社が切り替わるタイミングでした。ところが、その会社も経営が厳しいという理由で年末には撤退することになってしまい、急きょ直営化を進めることになったんです。11月半ばにその話が持ち上がり、12月初めには試食会を行いました。ちょうど雪がひどい時期で、そんな雪の中メディカデリさんが試食会を実施しに来てくれたのを覚えています。その時は4~5社の試食を行い、その中でメディカデリさんが一番高い評価を得ました。

メディカデリ導入のきっかけについて教えてください。

決め手になったのは「味」でした。他社の冷凍食品や弁当タイプの食事も試しましたが、「おいしい」という点でスタッフ全員が一致したのがメディカデリさんでした。特に印象的だったのがメンチカツで、「冷凍の揚げ物がこんなにおいしいのか」と皆で驚いたほどです。全体的に食事が柔らかくて食べやすいのも良かったですね。「この味なら患者さんにも喜んでもらえる」という確信が持てたことが導入の一番の理由です。

導入を検討する上でどのようなポイントでメディカデリを選定いただいたのでしょうか。

他社の中にはスチーマーを使った弁当タイプの提供方法などもありましたが、やはり「味」で差が出ました。さらに、委託会社の撤退が急だったため、短期間で準備が整えられることも大きな条件でした。実際、1~2週間という非常にタイトなスケジュールで契約まで進めることになりましたが、これまで委託先で献立作成を担当してきた経験を活かし、新しいソフトにも早く慣れるよう努力しました。クラウド型のため動作が重く感じることもありましたが、実際に使いながら学んでいったことでスムーズに導入できたと思います。

導入までの期間、何か工夫されたことなどありますか。

一番大変だったのは人員確保でした。委託会社から残ってくれるスタッフに声をかけたり、知り合いを通じて探したりして、なんとか1月から勤務できる体制を整えました。中には一度辞めた方が戻ってきてくれるケースもありました。ただ、当初は調理師資格を持つ人がいなかったので、その点は不安でしたね。幸い、1月中旬から調理師の方に入っていただけることが決まり、それまでをスタッフの協力で乗り切ることができました。導入時にはメディカデリさんにデモンストレーションも行っていただき、それを普段厨房に入らない上層部まで見に来てくださって、その際に院長がお話させていただいていたように「明日の食事がどうなるかという瀬戸際だった」という時だったので、その場の全員から拍手喝采してもらえたのが印象的でした。

実際に導入されてどのような体制で運用されていますか。

現在は厨房スタッフが約10名。朝食は2名体制で対応し、昼食は3~4名体制になります。調理師はまだ不在で、全員がパートスタッフです。資格者は栄養士が1名のみで、その方に昼食の調理を覚えてもらっている最中です。食数は朝が60食前後、昼と夜は70食台で推移していて、ピーク時は80食に達しました。限られた人数ですが、メディカデリさんの商品があるからこそ対応できていると感じています。もし一から調理していたら、とても回らなかったでしょう。12月からは調理師を1名採用予定で、今後はカレーや麺類など手作り要素も少しずつ取り入れていく計画です。

今後、給食でやっていきたいことはありますか。

まずは野菜の使用量を増やしたいと考えています。現在もキャベツの千切りなどを追加していますが、栄養価を高めるためにもう少し野菜を取り入れる工夫が必要だと感じています。また、地域の特色を活かしたイベント食にも挑戦したいですね。滝川市といえばジンギスカンが有名で、豚肉を使った「豚ジンギスカン」を提供することもあります。M社のジンギスカンのタレを使えば手軽にジンギスカン風にできますし、患者さんにも喜ばれると思います。病院という環境での工夫は必要ですが、地域らしさや季節感を取り入れることで、患者さんに少しでも楽しんでいただければと思っています。